ジャックラッセルテリアの友人

ワンコLIFE

小さい頃からずっと犬を飼いたいなと思っていました。
その夢がかなったのは30歳の時。


体を壊し、しばらく家で療養することになった僕に気分転換にと家族が連れてきてくれました。

ジャックラッセルテリアでまだ生まれて3か月ほどの男の子でした。
名前はベルと名付けました。

体は真っ白、顔は半分茶色、半分白。
赤ちゃん特有の丸々とした体、キラキラした純粋な目。
そんな目でまっすぐ見つめられた僕は、何かを見透かされているような気持ちになりながら、そっと抱きしめると今までにない喜びに満ちた感覚を覚えました。


この子とこれからはずっと一緒にいられるんだな。
体の調子が悪く、横になっているときは僕のそばにずっと一緒にいてくれて、心強かったのを覚えています。僕の体も少しずつ本調子に戻り、散歩も一緒に行く機会が増えました。


でもベルが7歳頃、僕は彼と一緒に暮らすことになりました。
賃貸マンション、ペット不可のためベルを引き取ることはできず。でも、近所のマンションなので毎日散歩には連れて行ってました。

そんなベルが12歳の時、定期健診でガンと宣告されました。
抗がん剤治療をしなければ、あと2か月・・・


でも抗がん剤治療するとベル本人は辛いだろうと獣医さんには言われました。
迷いましたが抗がん剤治療を選択。


今考えると、僕のエゴだったのかもしれません。


ベル本人は抗がん剤治療なんて受けたくなかったのかも。
でも僕にはベルが必要。


本当にエゴですね・・・


日に日に体は悪くなり、大好きだった散歩もほとんど行けなくなってしまいました。
どうしたらいいんだろう・・・


食事も変えたりしましたが、その時の体調によって食べたり食べられなかったり。


どうやってベルを守ってあげたらいいんだろうと悩む日々。

ある日、仕事に行く前に実家によったら明らかに様子がおかしい。目は開けているけど呼吸も荒く本当につらそう。

僕が抱きかかえると、僕にはもうわかってしまいました。


最期の時なんだなと。


じっと僕の目を見つめるベル。
僕は大きな声でベルの名前を呼び続けるしかできない・・・


そしてゆっくり目を閉じてしまいました。


ただただ涙がとまらない。
こんなに辛いことは今までなかった。
ずっと一緒にいたのに。
もう会えない。
まだ暖かいベルの体を抱きしめるしかできない。
ベルがいない生活を送ることに悲しみしか感じられませんでした。

でも時間はいつもと変わらず過ぎていく。
生きていかなければならない。
悲しみから立ち直るのには時間がかかりました。
まだ癒えていないのかもしれない。

ベルには心の底からありがとうと思っています。
ベルがいたから辛い時期を乗り越えられたし、生きている実感が
得られました。

また巡り巡って会えることを信じています。


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